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記載日付:2008年8月25日
ライター:鈴木富司
番号:000-079
タイトル:商事会社による自動車開発 その1
生き様を描こうと思っていたのですが、それは別の機会にすることに
しました。書き慣れた、「昔の思いで話調」に戻します。今回は、私が手がけた海外における自動車開発物語を書きましょう。
開発と言って、思い出すのは何といってもインドネシアにおける「ミニバスシャシー」です。
0020号で「カロッサリーというすごいボデー屋さんの話」
http://www.tomiji.net/jidoosha2/000-0020.html を書きましたが、 デリカピックアップのリアボデーを外してしまって、街のボデー屋さんが、奇麗な ミニバスに作り替えてしまうのです。折角塗装したキャビンもガスバーナー焼ききる訳
ですから、現場を見て歩いていると、何とかせねばと言う思いが募ります。それに、何といっても主力商品がミニバスとして使われているのに、トラック用フレーム を使ったピックアップを売って、ユーザーが街のボデー屋さんで、バスに架装するわけ ですから、不自然です。乗り降りのステップは高いし、床も高くなり重心が上がって 事故の原因にもなっていたと思われます。下地処理のされていない錆びやすい 商品に目をつぶっているのは、現場の製品責任者として、心を痛めていました。
そこで、現地ボデー屋さんが架装をすることを前提とした、専用のバスシャシー車を 開発したいと提案した訳です。日本にはない車ですし、到底メーカーとしては、 現地のボデー屋さんが架装することなどは認めらることなどできない訳ですから、 説得をするのに随分と時間が掛りました。
構想は、インドネシア側でつくり、細かな設計を日本側に頼んだのです。 もう、30年も前のことなので、詳しいことは忘れましたが、運転席のボデーの背中の 部分を開けたままにし、後ろのフレームの上に鉄板の床を載せ、後ろの角にボデーを つなぐステーを立てたように記憶します。フレームを湾曲にするとお金が掛るので、 段差をつけた2段構造にしたような記憶がありますが、はっきりしません。 ガソリンタンクも問題になりました。専用の薄いものをつくったか、標準品で格納場所を 工夫したかも、記憶が薄れています。
ステップの高さが約30センチで、それを宣伝材料にするのに、広報担当のマスウイル君が リンゴの皮をナイフで連続に切って螺旋状にたらした図案をつくってきたのを覚えて います。
そいう専用のバスシャーシーが、本当にマーケットを捉えたのかどうかは、 自信が持てずにいました。何しろ、扱うボデー屋の程度が余りにも低く、架装工程が 少しでも楽になるように、いろいろ工夫をしたのに、全く無視をして、ばっさりと ガスバーナーで焼き切る姿を見て落胆をしたのを覚えています。
それでも、他社も真似をして、ミニバスシャシーが主力商品になりましたから、 商事会社主導による商品開発も意味はあったようです。
次回は、ミニキャブをベースにした、バスシャーシー開発の大失敗について告白しようかと 思います。
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