自動車輸出物語 

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記載日付:2003年8月27日
ライター:鈴木富司
番号:000-0069
タイトル: 海外における自動車部品補給と修理 その2
     (リコメンド部品表は難しい)
 
 自動車を輸出する場合は修理部品の補給と修理技術の移転が大きな課題です。その中で、特に部品の問題は軌道に乗るまでは大変やっかいな問題でした。修理部品といっても全部品をストックして置くわけにもいかないものですから、「当面必要な部品」をストックしておいて修理で使った分だけ補給していけばよいわけです。

 現実にはそうはいきません。その「当面必要な部品」はリコメンデッドパーツというのですが、その品目と数量を誰が決めるかという問題があります。当たりはずれがありますから、必ずあとで文句を言われます。壊れるはずがない部品が壊れて修理部品がないと矢の催促を受けます。送付先は海外ですから集荷して、船で送り、現地で通関するとなると数ヶ月掛かってしまいます。緊急扱いで飛行機で送ると法外なコストが掛かります。しかし、現場ではお客様が大変です。ほとんど営業車で日銭を稼いでいますから、部品待ちになると大騒ぎになるのです。

 一方、もし壊れずに売れないと不良在庫になってしまいます。モデルチェンジでもあると廃棄処分をせねばならず、現場の責任者は頭を抱える種なのです。「こんなリストを誰が作ったんだ」と叱責を受ける結果になるのです。

 そういう初期部品の選定は、最初のころはメーカーさんが作って呉れました。しかし、現場の使用条件も知らない内地の「専門家」がいくら頭をひねっても現場にマッチしたリストなんて作れる筈もありません。タイではいすゞの6トントラックに14トンも積むのは当たり前でしたかたら、内地とは壊れる部品が違うのです。インドネシアでは三菱の小型ピックアップが営業用のミニバスに使われ、連続高速走行をしましたので、内地の使用条件とは全く違います。更に、古いヨーロッパ車の修理用に転用される部品まで沢山ありましたので日本では想像もつかない部品が大量に注文がくるなんてこともありました。

 こういう細かな難問をひとつひとつ解決する人達により自動車輸出は支えられていたのです。

 販売店の苦情はわれわれの頭ごなしにメーカーのお偉いさんのところに届くこともあります。トップから厳しく叱られても、問題の原因は多種多様、いちいち言い訳けなんかできない苦しさもありました。リスト上の単なる部品番号の間違いによる場合もあるし、部品メーカーの手配ミスもあります。現地でドロボーさんに盗まれたとか、税関で他の業者の密輸品捜査で一括輸入さし止めになったとか、誰も責められない問題が次から次に起こるのです。部品は、注文どおりに在庫品があって当たり前の世界です。叱られながら地味な作業をコツコツとこなす関係者の顔が思い浮かびます。

 こういう状況で、商事会社の自動車部で何をしていたかと言いますと、新入社員の頃は部品の輸出事務をやっていました。
船積書類と決済用の書類を作成したり、通産省の輸出許可の事務もありました。

 当時はパソコンはありませんから手作業です。分厚い部品リストをタイプしてコピーを取るのです。英文タイピストの優秀なひとが何十人もいましたから全部自分で打つ必要はないのですが、原稿はつくらねばなりません。注文どおりに出荷されませんから、注文リストをコピーして出ない部品を消したり切り取ったりして、つぎはぎの原稿をつくるのです。勿論合計はソロバンです。コピーは青焼きと称した湿式の濡れた青い紙がでてくるコピー機です。これがからまるんですよね。

 タイピストさんにはいすゞさんの大きなカレンダーをお届けしたりして緊急のときにすぐ打って貰えるようにしたりしておりました。いや、あのタイピングのスピードには、今でも本当に感心します。田中さんという特に速いひとがいました。それに間違いがないのです。原稿をチェックして間違いがあると直す必要があるのですが、大抵タイピストさんが帰ったあとですから自分で修正するわけです。私はその修正が得意でしたね。特にカーボンの2枚目3枚目になるとボケ方が違うのです。それを同じように修正するのは本当に特技が必要なんですよ。

 カレンダーで思い出すのは、電信室とか電話交換室にも届けるのです。電話交換室に女性の交換手がずらーと並んでいました。壮観でしたね。当時の三菱商事の電話交換台は評判が良かったのです。ダイヤルを回しきった瞬間に交換手がでましてね。確か211−2111だったかな。いすゞの担当者だった米村道夫さんがよく言っていました。どこよりも速いし、声を覚えていて的確に中村さんにつないで貰えたとのことでした。

 逆にいすゞさんの電話は掛からなかったですね。あんまり電話が掛からないのでこれから大森まで行ってくるよ、なんて話しもあったくらいです。米村さんは懐かしい存在です。いまどうしてらしゃるでしょうか。
どなたか消息をご存知の方ご一報ください。

 前の068号で、高校生のとき買ったスパナについて触れました。
岩田さんという読者の方から
スエーデン製のモンキースパナはbarcoではなく「Bahco」というブランドと思います。
というレスポンスを頂きました。ありがとうございました。
http://www.happytools.com/REO/bahco.htm
で再会しました。
工具好きにはたまらないフォルムです。

 
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 真夏になるのが遅かったですね。夏はやはり暑いのがいいですね。

 大分、間を空けてしまいました。実はね、6月末よりプロのライターになってしまって、マーケッターの藤村正宏さんのお手伝いをしています。
http://www.t3.rim.or.jp/~fujimura/freepalette.html

建築や電子回路の設計ではschematic designというステップがあります。concept designの次のステップです。
そこで、自分の職業をスキマティック・ライターと名付けました。

私は藤村さんが書く本のコンセプトにもとづいて資料を集めテーマを案出して原稿を書く仕事です。それを藤村さんが手を入れて編集すると本になるわけです。この2ヶ月充実していました。昨夜3冊目の原稿を発送してホットしているところです。
9月より順次発売されます。また、ご案内しますので読んでくださいね。
小説風になっているマーケッティングの本もあります。

鈴木富司
Schematic Writer
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http://www.mekikicreates.com/mailmag.htm

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