自動車輸出物語 

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記載日付:2002年11月15日
ライター:鈴木富司
盤号:000-0062
タイトル: 自動車国産化法令と実践 その10  
     (事業家の世代交代)

 あれからもう5年も経っているんだと世の中のスピードの早いのに驚いてしまいます。国際電話の向こう側で本当に悲鳴に近いダニエル氏の嘆きを聞いても何もしてあげられなかったことを想い出します。タイに始まったアジアの金融崩壊がインドネシアにも飛び火をして産業経済が壊滅的になってしまったときのことです。盛んに数字を並べて負債が彼にとっては天文学的な数字になったこと、それに比べて売上が激減をしたことなどを訴えていました。

 暫くインドネシア市場から離れていましたので、1ドルが何千ルピアになったとか、1万ルピアを超えたなどということを聞いてもぴんときません。新聞テレビで経済危機は承知をしていましたので、大変な事態であることは予想はつきますが、現場の生の声を聞くと想像以上にひどい状態なんだなと感じられました。

 丁度、7年前にダニエル氏の娘さんの結婚式に参列すべく神戸より女房とジャカルタを訪問しています。そのときに彼のその後の工場は見ております。工場も大拡張をしており、好調のようでした。最初にシートの生産をはじめたときは、小型プレス機、溶接機、簡単な塗装ブース程度であったのが、シートクッションの工場や、多角化ではじめた建設機械の運転席の工場までありました。シートも単に製造だけでなく、商品開発も行っており、バス用のリクライニングシートの試作品も見せて頂き感激をしたものです。

 そうやって、営々として築いてきた企業が米国のマネーゲームに端を発した経済危機で一瞬にして崩壊しようとしていたわけです。インドネシアの自動車市場を開拓するとき、随分といろいろなひとに聞かれたものです。本当に売れるのかいという質問でした。その時はオウム返しに太陽が照る限り誰かが車を売り、誰かがそれを買います。売れるかではなく、誰が売るかということですと説明して強引にプロジェクトを進めて参りました。ダニエル氏にも会社を諦めてはいけない、続けたら必ず蘇ると言って励ましました。

 その後、機会があるごとに三菱商事の後輩にインドネシアの自動車市場について聞いてきましたが、予想以上に早く立ち直ったようです。彼の会社も復活しました。そこには、いろいろな物語があったのでしょうが、私は完全に引退をしていますし、詳しいことは知りません。

 もうそろそろ彼も引退の時機なのかなと考えています。子供も立派に育ちましたし、次は全く違う分野で活躍するように助言をしたいと思っています。インターネットのお陰で、気軽にE-メールの交換をしています。いずれ、自動車産業とは全く違う世界に飛び込むのも面白いよと誘ってみたいと思うわけです。

 新しい芽が育つためには古くなった株は引き抜いた方がよいとの単純な発想です。立派な苗床ができるように最初から仕込んであると言ったらきざでしょうか。実は、最初に部品商の店舗を売ってしまえと言ったとき、奥方にはこれからは次代を継承する子育てが貴女の役割だとも言ったのです。随分と差し出がましいことを言ったものだと今では感じますが、お互いに真剣だったのです。自動車部の先輩から、海外で事業家を育てても世継ぎに失敗すると折角の事業もダメになると常日頃聞いていました。自然に出た助言だったと思います。浅井将部長はじめ、三菱商事の自動車部の先輩はこういう形で熱い想いを後輩に伝えてきたのです。

 部品工場の話が続いたので、次回は組立工場建設時の面白い物語を致しましょう。駆けっこで作業者を採用した物語などもでてきますよ。

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 庭で青空に向かって和良久(古武道)の稽古をすると本当に気持ちがいいものです。

 木剣を使った呼吸法ともいうべきものです。ひとと争いを起こさない、自分の周りに争いを起こさない場をつくる、相手の呼吸を意識して次の動きを察知して相手が戦意を起こさないようにする、などなど、創始者前田比良聖師範より直々に教わっています。稽古中に眠くなったら寝てしまいなさいとか、筋肉の鍛錬は不要、腰を中心にした螺旋の動きがすべての武道の技を凌ぐ、アイヌの紋様にも多数の螺旋がある、突然降ってわいたように難解と思えた技が身に付く、・・・だんだんとその奥深さに興味を覚えています。和良久のホームページがあります。是非見てください。
http://www.walaku.com/

鈴木富司
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