自動車輸出物語 

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記載日付:2002年4月17日
ライター:鈴木富司
番号:000-0048
タイトル: 各地の自動車国産化案件

 1980年代前半のことですが、インドネシアでの組立、国産化事業の成功体験を生かして、世界の各国での国産化プロジェクトの推進を試みました。中村本部長直属の組織にベテランが集められ、世界各地でのプロジェクトの発掘に専念しました。1ヶ月から4ヶ月くらいの長期出張が続きました。僻地を独りで駆け回るという生活が続きました。丁度、4人の子供が小学生、中学生、高校生でしたので、進学の時期にぶつかりましたが殆ど女房に任せっきりだったようです。何しろ自分の家の地鎮祭にもでていないし、建設中の記憶がほとんどありませんから、多分留守だったのだと思います。

 イラン、イラク、サウジ、ナイジェリア、モロッコ、チュニジア、中国各地、インド、ペルーでのプロジェクトの調査やら、プロジェクト・プロポーザルの提出などに奔走しました。地域によってはどうしても調査だけには応じなければならない事情で調査をしたところもありました。中には、商事会社主導で進めたものの、最終段階でメーカー側が難色を示して消えてしまったものもありました。

 インドなどはその最たるもので、藤川徹夫君という、優秀なプロモーターが、プロジェクトをほとんどまとめ上げたのですが、辞退せざるを得なくなったとのことです。それも、メーカーのお偉さんが、個人的な理由もあり、極端に嫌い折角のプロジェクトが社内で承認されず、涙を呑んだと聞いています。その後、鈴木自動車が鈴木社長の強力なリーターシップで進出して独占的に市場を席巻したと知って、多いに悔しがったものです。個人の好き嫌いによる判断を説得するというのは、結構難しいものなのです。売れるか売れないかの議論なら、資料も揃えますし説得も可能性があるのです。ダメと言われれば燃えるのが輸出屋なのです。まあ、こういう理由で巨大市場を放棄してしまったというようなことも、多彩な自動車物語のひとつのエピソードとして面白いでしょう。

 一方、われわれが潰したものもあります。ナイジェリアは、メーカーの海外部門の方が非常に熱心でした。輸出屋というのは、担当を命じられた市場が好きになるものです。あるとき、中村本部長よりナイジェリア出張を命じられました。ナイジェリアでのプロジェクトの内容が、もうひとつ判らないのでお前行って調べて来いというのです。工場予定地の奥地まで行ってきました。大分記憶も断片的になっていますが、随分と奥地でした。道はありましたがまあ、とても常識的には工場を建てるようなところではなかったですね。中央政府と地方政府の関係で、この地方に建てなさいという指導でした。そうそう、夕方お役所の方の自宅に話を聞きに言った光景を思いだしました。応接間というか、居間というか、そこで大きな洗面器で子供に湯を使わせていたのを思いだしました。法整備もきちんとしていないところに進出するというのは、大変なことなのです。そこで、いろいろ質問をせねばならないのです。子育て中の家まで押し掛けて質問をしていたわけです。これも立派な自動車輸出物語でしょう。私の中村本部長への報告書はネガティブなものでした。こういう調査というのは、結構難しいものです。同じ説明を聞いても違う結論が出るのです。インドネシア市場を調査したときも、同じ市場を見て、車が少ないから進出すべきではないと報告をしたひともおり、私は車が少ないから、これから売れると結論を出して成功をしております。

 調査で難しかったのはモロッコでした。フランス語圏ですし、言葉の定義自身が違うようで、最後まで説明に判らないところが多かったですね。都市はきれいで、田舎はエキゾッチックな別世界ですし、出張するにはいいところでしたね。何とかプロジェクトをものにしたいと藤川君と頑張ったのですが、ヨーロッパ勢の壁は破れませんでした。
 
 イランは実際に自動車生産国でしたし、われわれの革命的な生産技術を武器に乗り込もうといろいろ画策をしましたが、実現しませんでした。これにはいろいろ面白い話もありますので、別の機会に書きましょう。

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 すっかり暖かくなりましたね。古武道の和良久は相変わらず毎週楽しんでいます。特製の袴もつけてやっています。家でも庭で木剣も振り回しています。

 4月2日に生まれた孫と1歳7ヶ月の孫がわが家にやってきています。こうやって、人間って育っていくのだなーと感じ入っています。脳にインプットされて、それが大人になったときの大きな規範になると承知していますので、大変興味深く、またそこに深遠なものを感じとっています。最近、メキキの会の仲間の小児科医の子育て講演会を聴きにいきました。つい最近まで常識になっていた子育て法が、いまでは学会で否定されていたり、まだ認知されていなくても、いろいろ批判の論文がでていることを知り驚いています。どうも、危険につながるやってはいけないこと以外は、母親の感じで「よいと思うこと」がよいようです。

鈴木富司
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