自動車輸出物語 

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記載日付:2002年1月23日
ライター:鈴木富司
番号:000-0042
タイトル: 高度成長期の超多忙はちょっと味が違います(その2)

 インドネシアの自動車販売会社を立ち上げるときの中村チーフアドバイザーの猛烈ぶりは殺気さえ感じるものがありました。一時帰国で空港へ出迎えに行ったときは本当に驚きました。体重が20キロくらい痩せられたと記憶しますが、ワイシャツの首周りに拳が入るくらいの感じなのです。

 それもそのはずで、私が日本より応援に駆けつけたのですが、組立指導の技術者以外の日本人は中村さんだけだったのです。組立工場を2個所も新しく改装して販売店を新規に設定して一斉に車を販売開始するというのに、ほとんどひとがいなかったのです。インドネシア人も経験者が少なく販売の責任者もインドネシア大学を出たての若者だったのです。
 
 やることは山ほどあります。日本からの部品の輸入、販売店候補の調査から指定、店舗の設営指導、補修部品の日本への注文、輸入、部品の陳列の指導、組立工場との各種折衝、更に当時のインドネシアでははじめての新聞全面広告の実施などなど、ほとんど中村さんがひとりでやったわけです。私もお手伝いをしましたが、人の採用から事務用品の買い付けなども思い出です。事務員の女性にはさみを買うように頼んだら裁ちばさみを買ってきてしまい
中村さんと顔を見合わせてしまったことを覚えています。それでも、その女子事務員が中古の応接セットのカバーを家で縫ってきてくれたり、本当に現在のひとには味わえない手作りの事務所設営でした。

 設営といえば、社宅の設営も物語です。不動産屋がくるから空港に連れて来るようにとの指示を残してメダンの販売店候補の視察にでられました。しかし、帰りの飛行機が遅れて3回も空港に出向きました。その頃の地方行きの飛行機は小さなプロペラ機で、乗客と荷物をひとつひとつ台ばかりで重さを計るというものでした。「計ってくれるから、安心だよ、目の子でやられたら心配で乗ってなんかいられない」てなことを言って飛び立ったまま、なかなか帰らないものですから心配をしていました。勿論、何時に到着するなんて情報はありません。でたとこ勝負です。

 遅れに遅れて夜の12時近くになっていました。不動産屋にとっても大きな商談とみえて夜中にも空港までやってきました。そんなわけで自動車関係者の専用の寮を設営するための現場チェックは夜の12時をまわっていたのでした。翌日にする余裕などないわけです。不動産屋の案内で住宅街のはずれにある田舎道を何度も曲がり大きな屋敷に到着しました。度肝を抜かれました。豪華な家でプールもついていました。それにしても事務所は実に粗末で、応接セットも中古品で間に合わせるなど、中村マネージメントでは経費は極端に押さえているのに、どうしてこんな立派な家を寮にするのだろうと半信半疑でした。車も邸内に10台くらいは駐車できる広さと記憶します。本人は結構気に入った様子で一発でokがでました。どうも華僑の商売人を念頭に置いていたようです。彼らも事務所を豪勢にすると何かとたかられるので、それは驚くほど粗末にしていました。しかし、家は高い塀をめぐらして中は豪華絢爛というのが当たり前だったのです。三菱が家まで粗末にしたら舐められてしまうからという事情があったのだと思います。

 この家の家主は中年の華僑のご夫人でした。契約のときは、中村さん得意の北京語でやっていましたね。タイに駐在したときに中国語は覚えられ、華僑とのお付き合いにはずいぶんと重宝をしたようです。

 この寮の思い出はつきないものがありますので、また書きますが、この設営時に不動産屋から、思わぬ申し出があったことをお話ししましょう。現在は、東京の青山みたいなしゃれた場所になっているようですが、当時はカンポンと称する田舎そのものの地域で、道路も未舗装でした。その新しい道路にジャランナカムラと名前をつけるというのです。中村さんは照れ屋ですから、あわててダメだと言っていました。そうしたらジャランミツビシではどうかというわけ。それはもっとダメだと断り、結局ジャランバンカIVとかいうような名前になったはずです。固いことを言わずにジャランナカムラを認めておけは、物語に花が咲いたのにと惜しまれます。

 超多忙物語はとても語りきっていませんね。次回、もう少しつづけましょうか。

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 例年感じますが、年末・年始というのは、本当にあっという間に過ぎていきますね。こうやって、歳をとっていくのだなーと感じています。
 
 ビジネスモデルの開発にはまっています。メキキクリエイツという会社が中心となってやっているのですが、私も第二期特許開発セミナーの卒業証書と特許開発者初級という認定証を貰いましてね、楽しんでいます。仕事ではありませんので夢のあるお遊びということにしておきましょう。いままで世にないものですから、まだ名前もないんです。働き盛りのおとこどもが気脈をつくった上で夢中になっているものと説明をしておきましょう。

鈴木富司
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