自動車輸出物語 

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記載日付:2001年11月14日
ライター:鈴木富司
番号:000-0037
タイトル: コンピューターを自動車輸出に活用 その3

 大分時代が近くなりますが、本社の自動車本部で企画の仕事をしていたときのことです。やはりコンピューターを利用した合理化には気を配っていました。しかし、当時の技術で経済的に現実にできることなのか、まだ机上の空論なのかを見極めるのが私の仕事でした。

 本部長の中村敬止親分から、これまでのわれわれの努力を商社の権益として守りながら、メーカーには手が回らない分野を合理化することを考えなさいとの課題を与えられました。そこで、古賀博之君にそういうシステムの構築をして貰いました。最初に手がけたのは港の近くにある三菱商事の支店に船積用の書類を電送するというシステムでした。これは、社内の回線を使うシステムですから、大した問題もなく実現をしました。それでも画期的なものだったと思いますよ。

 次に考えたのはヨーロッパの支店からくる車の注文情報をオンラインで結んで入手しようというものでした。技術的にも法的にも非常に難しいことが判りました。何しろ、当時はまだ、国家間でコンピューターをオンラインで結ぶことは法律で禁じられていたのです。ですから、構想提起をしても専門部局にはそれは無理ということで、受け付けて貰えないのです。そこで古賀君が考えたのはテレックス回線を使うというシステムでした。しかし、これが難しいのです。情報処理をするコンピューターとテレックスを管理する通信コンピューターは全く別のシステムで、お互いに使うコードが違いますから、結合できないというのです。情報処理のコンピューター同志を結合することは技術的にははできるが回線料が無茶苦茶高いし、国家間は法的にも許されていないというので苦肉の策として考えたのにそれも無理というわけです。

 専門家に聞いて歩きました。難解なコンピューターや通信用語で説明を受けてもよく判りません。何とか私が理解をしたのは、これからデーター転送のオンライン化が進む時代に、何も旧式のテレックス回線を使うことはないではないかとの意見が古賀君の構想を阻んでいるようでした。ここは、親分の力により押し切ろうと考えて常務取締役本部長の中村さんに、構想のゴーサインを出して貰いました。旧式であろうと実利が上がり採算が取れればいいわけです。自動車本部の目玉プロジェクトに育つなと予感をしたからです。結果は大変上手くいき、完成したあと、社長直々の視察を頂けるようなプロジェクトとなりました。商社の商権を確保しながら、商社主導で合理化したとして社内的にも評価されました。私は判ったような顔をして旗を振っただけでした。技術的にはほとんど理解をしていませんでした。

 当時はヨーロッパの販売店からの注文を支店経由でテレックスで受け取っていました。モデルコードやいろいろな仕様、装備を台数とともに連絡してくるわけです。それをメーカーに流して注文を成立させるわけです。メーカー側はコンピューター処理をしていますが、商社側では手作業でやっていたわけです。朝受け取ったテレックスを見て、設定してない仕様が記載されてあったりすると返電を打って、修正して貰うわけですが、時差がありますから修正は翌日になってしまうのです。締め切りがせまっていると問題なわけです。それを連絡を受けた夜中に本社のコンピューターで処理をして、受注したり再検討を促したりするのをテレックス回線を使って自動化しようというものです。テレックスは商事会社では24時間つながりっぱなしの回線を持っていましたから、それこそ無料の回線です。ですから実利的には相当成果を上げて、仲介だけの商社は不要だよと言われる懸念を払拭できたわけです。技術的には結構難しかったし、実現には結構時間が掛かりました。稼働を始めたのは1985年ごろの話です。

 この一連のシステムにはAUTEX という名前をつけましたが、最近古賀君に聞いたらそのあとも、いろいろなシステムを追加して10位のシステムが動いていたようです。私自身は自動車を離れてテーマパークプロジェクトに移ってしまいましたので、その後のシステムの進化については全く知りませんでした。

 Macやインターネットに凝りだしたのは、今から6年半くらい前ですが、随分と状況は変わりましたね。旧式のテレックス回線を使ったオンラインシステムは、当時ではある意味で最先端の技術だったと思います。いまでは充分、自動車輸出の昔物語に加えることができると思います。

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 このところ結構忙しくしています。10月はじめより米国SQA社http://www.sqaservices.com./ のRegional Account Manager, Asia Pacificという仕事をしています。相変わらず自宅のSOHOでやっています。米国には面白い会社があるもので、55歳から70歳のベテランの技術者を5千名も集めてそのノウハウを役立てているという組織です。これから、日本でも流行る仕事ではないかなと思っています。ご縁があって就任したのですが実働はこれからですね。

 本業の水族館の仕事も動きだしましたので、当分退屈しそうにありません。古武道やメキキの会の特許開発セミナーも面白くてやみつきにになっています。

鈴木富司

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