自動車輸出物語 

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記載日付:2001年10月31日
ライター:鈴木富司
番号:000-0036
タイトル: コンピューターを自動車輸出に活用 その2

 コンピューターに関係する思い出はいろいろとあります。中でも鮮明に覚えているのは思いがけない部長の言葉に感激したことです。あるとき自動車部の初代部長で、みんなが絶大な尊敬をしている浅井将部長が、べらんめー口調で「これからはなー、コンピューターが判らないやつは課長にしないんだ」と言い出したのです。唐突でした。そのころ、自費でフォートランのプログラムの夜学に行ったりして、ちょっとみんなとは違う路線を行っていたのです。年輩のひとからは、コンピューターなんかやるやつは商売ができない証拠だなんていわれて、不愉快な思いをしていたからです。嬉しかったですね。別に名指しをされたわけではないんですが、神様みたいなひとに、見守って貰っているという幸せを感じた一瞬でした。

 ガンマ55というブル社の小型コンピューター導入も印象深い思い出があります。丁度、タイ向けいすゞ車の輸出を7年間本社で担当して、そろそろ他の担当に移動する前だったような気がします。1967年か8年頃のことです。水産部が船積書類の作成にコンピューターを使っているので、自動車部でも導入しようとしたのです。そういえば、水産部はワンライティングシステムという、輪転機を使う書類の合理化も先行していましたね。その時は、岩井芳郎課長よりの指示を受けて同じ方法で合理化を図った記憶があります。
 
 水産部のシステムは当時名機と言われた富士通のFACOM23010を導入したものでした。ところが、自動車部が導入を検討はじめた途端に大変な難問が沸いてでてきました。機械部がフランスのブル社の代理店をやっていて、高性能なガンマ55という機械を販売していたのです。同じ機械グループで、どうしてもそのガンマ55を使ってくれというのです。確かによい機械なのですが、プリンタが1台しか接続できないのです。いろいろなフォームの用紙を使う場合は、いちいち連続用紙をセットしなおさねばならないのです。FACOMは3台のプリンタをつないでインボイスやパッキングリストなど種類の違う書類を連続して打ち出しているのです。

一方ガンマ55は、プリンタの速度が3倍だから、何とか使ってくれというわけです。機械部のトップも参加して、青山だかのショールームでストップウオッチを片手に実演会まで開催され、断れなくなってしまいました。何しろ、そのまま導入したら現場からは絶対に文句が出たと思います。3種類の連続用紙をその都度セットするなどというのは、現実的ではないのです。

 それが、トイレに入っているときに解決したのです。本当です。商事ビルの5階の西側の左から2番目のブースに入っているときにヒラメイタのです。用紙のフォームを同一のものにして、コンピューターに都度書類名を印字させればいいんだと。それまでは大きく「INVOICE」とか「PACKING LIST」とか書類名が印刷してあるものを使っていました。確か戦前からのフォームだったと思います。既成概念で変えられないと思いこんでいたのです。それでもそのガンマ55の印字は小さくて一種類のみですから、タイトルに使うのには小さくて体裁が悪いのです。関係者を説得するのが大変でした。書類には必要事項が書いてあり、サインがあれば立派な書類だと理屈をつけて提出先の了解を得て実施をしてしまいました。自分のアイデアに酔っていたかも知れませんね。今でもあの軽快な3倍速のプリンタの音が耳に残っています。

 大分時代が経過して、ジャカルタの三菱車の輸入販売会社にアドバイザーとして出向していたときも、コンピューター化には首を突っ込んでいましたね。ただ、車の開発から、国産化、工場建設、広告まで担当していましたから、ほとんど自分では勉強できなかったですね。人を採用したり機種を決めたりすることだけだったような気がします。当時はIBMが一般的でしたが、WANG社の機種を導入しました。一切任されていましたので、自由に選ぶことができました。大変ユニークな機械で、コスト的にも性能的にもよかったのだと思います。それにWANG社の代理店の幹部を気に入ってしまったのです。ほとんどがセイロン人でした。頭の良い連中で、実に快活、ビジネスもきちっとしていてとても気持ちのよいお付き合いができました。トミー君という優秀な青年を採用したのもよい思い出です。やはり当時で、コンピューターのことが判る青年というのは、優秀だったのでしょうね。バランス感覚もあるし、要点を話しただけで判り会えるというのは、忙しいときには大変ありがたいことでした。

 一見旧式なテレックスとコンピューターを結合するという、ユニークなアイデアでヨーロッパ向けの自動車輸出受注事務をオンライン化した物語は次回の楽しみにしましょう。一足先のオンライン化です。商社の商権のかかったプロジェクトでした。

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 いい季節ですね。秋を満喫しています。と言っても旅にでるわけでもなく、自宅の事務所でMacに向かっている時間が多いこのごろです。

 Macといえば、今月はじめ約3年つかったMT300がどうにも調子が悪く、ついに新鋭のG4タワー型733を買ってしまいました。さくさくという感じて動いています。ウインドウズ型に変えようかとちょっと迷いましたが、やはり永年親しんだMacのソフトと縁が切れず再びMacにしてしまいました。スピードも早くなったので、孫の写真を400枚も並べて楽しんでいます。ビデオの編集の素晴らしいソフトがついているし、ビデオもやってみたくなっていますがとても時間がありません。野菜畑は荒れるし、自動車を塗装しようとコンプレッサーやら塗料を買ってもまだ箱を開けないままというところです。

鈴木富司

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